乳がんは、しこりで見つかる例が多いのですが、乳がん以外の良性の疾患であることのほうが、頻度としてははるかに多いのです。早く安心する為にも、早く病気を見つける為にも、定期的に検診を受けましょう。

• 乳がん

  乳がんは、乳腺の乳管から発生するがんです。
  最も多くみられる部位は、乳房の外側上部です。

• パジェット病

  乳頭に近い乳管から発生した乳がん。乳頭に出て乳輪に広がり、
  湿疹様発疹、炎症様ただれが起きるのが特徴。しこりがなければ予後が良い。

• 線維腺腫

  乳腺にできる線維組織をともなう良性腫瘍。
  比較的若い人に多い境界の明瞭な硬いしこり。

• 乳腺症
  （にゅうせんしょう）

  乳腺の良性な病態で、生理前に症状が強くでる傾向がある。
  結節やしこりがあって乳がんと区別しにくい事がある。

• 乳腺炎
  （にゅうせんえん）

  授乳中の人におこりやすく、乳汁がたまったり、乳頭から細菌が侵入して起こる。
  乳房が腫れて、発熱する事が多い。慢性化したものは、乳がんと紛らわしい。

• 葉状腫瘍
  （ようじょうしゅよう）

  乳腺腫瘍。しこりが、かなり急速に大きくなるのが特徴。
  良性のことが多いが、悪性のものもある。
  良悪性の鑑別が太針生検のみでは難しいことがある。

• 乳輪下膿瘍
  （にゅうりんかのうよう）

  乳首や乳輪から細菌が侵入し、膿がでたり、発赤、痛み、熱を伴う事がある。
  症状がくりかえすことがある。

• 乳管内乳頭腫
  （にゅうかんないにゅうとうしゅ）

  乳腺の良性腫瘍。乳頭に近い部分で、発生する事が多く、
  乳首からの血性分泌で気づくことが多い。
  乳がんとの鑑別が必要。

• 高プロラクチン血症

  乳汁の分泌を促進するプロラクチンと言うホルモンが、
  薬剤（精神安定剤など）や疾患などにより過剰になり、
  乳汁の異常分泌、月経異常などを起こす。