検査の流れ
早期の乳がんの発見による予後の向上、乳房温存療法の施行率の増加を目指しています。現在、集団検診としては40歳を過ぎたら2年に一度、マンモグラフィ検診が推奨されています。
日本人の乳がんの発症率が40歳から上昇するためですが、若い女性でも乳がんが見つかることがあります。定期的な検診の他に、自己検診も重要です。いつもと違うと思ったらすぐに病院を受診しましょう。
また、集団検診ではマンモグラフィ検査が勧められていますが、超音波検査の方が有用である場合もあります。
検査の流れについて
- 問診票
- 乳腺エコー
- マンモグラフィ
- 診察
【早期乳がん診断のための
その他の検査】
上記の検査では判断ができない場合、
以下の検査を行います。
- 細胞診
- 乳房造影MRI検査・胸腹部造影CT検査
- 組織検査
乳腺診療の方
乳房は月経の影響を受けますので、生理が終わり乳房の張りがなくなった頃が検診にいい時期です。
また、上半身は検査着に着替えますので、ワンピースなどでの来院はご遠慮ください。
マンモグラフィ検査
について
検査を始めるまでの準備
- 上半身だけ衣服を全て脱ぎ、ガウンを着ます。
- ネックレスやピアス、検査直前には眼鏡も外していただきます。
- 髪の長い方は後ろでひとつに束ねていただきます。
- 制汗スプレーやラメ入りのクリームやパウダーなどは拭き取っていただく場合があります。
検査の内容
-
通常、左右の乳房を片方ずつ、それぞれ斜め方向と上下方向の2方向から撮影します。
(医師の診断や検査の内容によっては1方向のみの場合や、圧迫方法を変え追加撮影をする場合もあります)
斜め方向:乳房を斜めに内側から外側に向かって圧迫します。
上下方向:乳房を上から下に向かって圧迫します。
検査室内での検査の流れ
- 検査する側のガウンを脱ぎ、撮影装置の前に立っていただきます。
- 技師が乳房を持ち撮影台の中央に位置するように乗せ、乳房を引き出し手のひらで一旦押さえます。
- 撮影装置の圧迫板で徐々に乳房を圧迫していきます。
- 十分に圧迫した状態で撮影を行います。(この間約10秒程度です。)
- 1~4の流れを反対の乳房でも同様に行います。
- 技師が画像を確認し、検査終了です。
注意点
マンモグラフィは乳房を圧迫し放射線を利用して撮影する検査です。患者さまご自身や撮影装置、
画像に影響を及ぼす可能性があるために、撮影できる範囲が制限されたり検査そのものができないこともあります。
- 妊娠中の方または妊娠の可能性のある方
- 授乳中の方
- ペースメーカを装着している方
- V-Pシャント(脳室・腹腔連絡術)を施行した方
- 豊胸術施行歴のある方
圧迫により痛みを感じることがあります。胸が張っていたり生理前は痛みを感じやすい状態にあるため、
生理開始から2~3日後に検査を受けていただくことをお勧めします。
乳房を圧迫して撮影する理由
乳房は立体的で厚みがある組織なので、圧迫せずに撮影すると乳腺や脂肪・血管などが重なった画像となります。そのような画像では異常所見が隠れてしまい、診察に影響が出る可能性が高まります。また圧迫することにより被ばく量を減らすことができ、更に体の動きをおさえることで画像のボケを防ぐ効果もあります。
痛みには個人差がありますし、緊張して体に力が入りがちになりますが、力が入ると正しく乳房を圧迫できないことがあります。肩の力を抜いてできるだけリラックスしていただけるよう、患者さまにお声かけしながら担当技師が徐々に圧迫していきます。ご協力をお願いします。
当院はマンモグラフィ検診施設画像認定(*1)を取得しており、また女性の検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(*2)が検査を担当します。安心して検査を受けられてください。
また、検査を受けるにあたり不安や疑問のある方は、お気軽にお尋ねください。
*1 マンモグラフィ検診施設画像認定
NPO法人乳がん検診精度管理中央機構が、マンモグラフィ検診の精度を高め、また維持するために、
撮影装置や画像、X線量や撮影技術などを評価し、検診に必要とされる基準を全て満たした施設に与えられる証明です。
*2 検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師
NPO法人乳がん検診精度管理中央機構が、マンモグラフィ撮影に関して一定以上の知識・技術があると認めた放射線技師に与える認定証明です。
当委員会主催または共催の講演会を受講し試験を受け、試験評価がAまたはBの技師が認定されます。
乳腺エコー(乳房超音波)
検査について
反射してくる波(エコー)を画像化して映し出す検査です。
長所
- 手では触れられない小さなしこりを見つけることができます。
- 乳腺が発達していてマンモグラフィで発見しにくい20代から30代の方に適しています。
- 検査中の痛みが少なく、被ばくの心配がないので、妊娠中、授乳中でも検査可能です。
短所
- マンモグラフィで見つかるような微細石灰化は描出されにくいです。
検査までの流れ
- 更衣室で専用のガウンに着替えていただきます。
- 着替えが終わりましたら、お名前をお呼びするまでお待ちください。
基本的に、検査が禁忌となる方はいません。
検査方法・所要時間
- 実際の検査はベッドに仰向けに寝ていただき、手は万歳をするような形で行います。
- プローブを少しずつ動かしながら、乳房全体を端から端まで見ていきます。
- 所要時間は、乳房の大きさ、所見の有無にもよりますが、10分程度です。